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回復期リハビリテーション病棟について

回復期リハビリテーション病棟では365日リハビリが提供されます。主に、急性期病院での治療を終えられた患者さんの寝たきりを予防し、住み慣れた「暮らす場所」への退院、社会復帰を支援するために、集中的且つ専門的なリハビリを提供します。

当院4病棟に開設している回復期リハビリテーション病棟は、48名の患者さんの受け入れが可能です。個室は5室、3人部屋1室、4人部屋が10室あります。

病棟内には松山の街並みを一望できる広いリハビリテーションコーナーがありますが、病棟の廊下も歩行練習をする上で貴重な環境となっています。ベッド2台が余裕で離合できる広い廊下には、壁下方や柱のコーナーに歩行距離拡大の目標が意識できるようにメートルサインがポイント表示されています。食堂の一角には、退院後に必要となる調理動作獲得のための作業療法設備として広いキッチンが配置され、調理道具が常備されています。患者さん1名に対して2~3名のリハビリ担当者が日々関わります。

また、入浴環境として、回復レベルに合わせた介入が可能な介護浴室があります。入浴動作の初回評価は、看護師・担当療法士が一緒に評価させていただきます。

ひとりでの入浴許可のある患者さんにご利用いただけるよう、2階に男性用「藤の湯」、当4病棟に女性用「杉の湯」と称した道後温泉の引き湯を利用した温泉を設置しております。

病気や障がいによる困りごとを解決するために、入院当日に患者さん、ご家族と関わる全ての担当職員(医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・栄養士・医療相談員など)が集合して入院初回の顔合わせをしています。できる能力の拡大をしていく上で、病気や障がいの評価と共にご希望やご事情を共有させていただき、一緒に目標を立てさせていただきます。定期的なカンファレンスでリハビリテーション計画を見直していますので、患者さんの回復の様子を是非ご確認下さい。

更に、入院中に積極的に実施させていただく「暮らす場所」への訪問での課題共有は、何より退院支援上有効な取り組みとなっていますので、状況に合わせてご相談させていただきます。

当院の回復期リハビリテーション病棟で対応可能な対象疾患

対象疾患入院日数上限
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症又は手術後、義肢装着訓練を要する状態150日
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷180日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態90日
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態90日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態60日
股関節又は膝関節の置換術後の状態90日
※対象疾患によって入院日数の上限が決まっておりますが、入院期間は病状や期待される回復状況を適切に評価しながら決定する為、退院の時期は患者さんごとに異なります。

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