医療のしおり/全般Medical news

入浴法について
高杉 潔

入浴法
入浴すると一日の疲れがとれ、心身ともにリラックスすることができたように感じます。それは科学的にも根拠があることなのでしょうか。 今、非常に注目されていることがあります。それは「Heat Shock Protein」です。熱刺激を外から加えられたらそれをショックとして受け取って体内にできる蛋白質の話です。40度から40度ちょっとの湯につかることによって、 よい蛋白質ができます。この蛋白質は体の抵抗力をよくします。そして、 体も温まり、水圧や浮力の作用も加わって血液の循環が活発になり、新陳代謝も盛んになります。筋肉が軟らかくなって体の緊張が取り除かれるとともに、 心理的なリラクゼーションの効果があり、科学的にも入浴は体によいことであると言えるのです。
しかし、この蛋白質はできては消え、できては消えて、数日間で体の中から消えていきます。毎日行う入浴で上手に よい蛋白質を継続してつくりましょう。よりよい入浴法をすることによって健康な体を手に入れましょう。そこで、よい入浴法をご紹介いたします。 まず、入浴前に水分を十分に補給し、ぬるめのお湯にゆっくりと入ります。高血圧の人や、心臓や肺が弱い人は熱い湯に肩までつかることは禁物です。 逆に低血圧の人は多少熱めのお湯でもいいようです。ただし、あまり長時間湯船につかることは好ましくありません。入浴後の水分補給も忘れに行ってください。
そして、一日の疲れをとるために筋肉のストレッチをしてその疲労を和らげる必要があります。
ストレッチの方法は、
〇左手を右肩にのせ、右手を左肘に当てる。
〇右手で手前に押しながら肩の筋肉を伸ばす。
腕を組み替えてこの動作を繰り返して行ってください。
入浴の最大の効果は心理的リラクゼーションです。好きな香りの入浴剤を使ってみたり、 ハーブをそのまま使うのもお勧めです。炭酸入りの入浴剤には血管を拡張する作用があり、保温効果が確かめられています。 冬の湯冷め防止に、ぜひお試しください。一日の疲れをとるため、リラックスするため、よい入浴をしましょう。
〇ポイント
1.ぬるま湯に入ってよい蛋白質をつくる
2.ぬるま湯に1時間ほど入ることによって200キロカロリー消費する(ダイエットにもつながる)
3.緑黄色野菜をしっかり食べてさらに抵抗力を強くする
振鷺閣(しんろかく)
道後温泉本館