関節リウマチ以外の重要なリウマチ性疾患
4. 回帰性リウマチについて
奥田 恭章
- 症状と特徴
- 発作性に関節が痛み、腫れますが、数日以内に消退し、数ヶ月や数年毎にこれを繰り返す病気です。発作はほとんどが数日で完全に消退し、その後後遺症を残さないのが特徴です。1つの関節(単関節)だけに生じることもあれば、数カ所の関節(多関節)に生じることもあり、全身どこの関節にも起こりますが、頻度的に多いのは手指や手首、膝が多いようです。発作時は痛みが強く、痛風様ですが、尿酸値は高くなく、また、発症年齢は、偽痛風のように高齢者でなく、30歳代から60歳代が好発年齢です。忘れたころに発作をおこし、その時点で病院を受診することが多く、医師の立場に立てば、数日以内の急激な関節炎を患者さんが生じた時は、この病気のことを念頭に置いて、これまでに同様の発作と数日で軽快した病歴を確認できれば本疾患の診断はほぼ確定することができます。
- 治療
- 痛みが強い時には、非ステロイド系抗炎症剤を用いて経過を見ます。1週間後くらいに再来院してもらい、痛みと腫れがなくなっているのを確認します。
- 注意点
- 本疾患は、その後多くの患者が発作の頻度がしだいに減少し、起こらなくなることが典型的な経過です。しかし、発作の頻度がしだいに短くなり、持続期間が長くなってきた時は注意が必要です。その後、持続性の関節炎となり、関節リウマチに移行する場合もあり、本疾患の約30-40%と推定されます。回帰性型の関節リウマチ発症パターンで、この場合は、関節リウマチと同様の治療を行い、しっかりと病気をコントロールし、寛解を目指して治療してゆきます。発熱を伴う一過性の関節炎以外に(時期はずれてもよい)、胸痛(胸膜炎)や腹痛(腹膜炎)を発熱とともに周期的に生じる場合は、自己炎症性疾患(家族性地中海熱など)の可能性もあり、遺伝子検査を行い、診断を確定し、適切な治療を行う事が希にあります。