理学療法

装具の問題点について

関節リウマチ装具の問題

装具には制度的には治療の一環として作製する治療用装具と生活の自立のための更生用装具があります。

治療用装具

医師の処方があって、健康保険を利用して作製します。装具が出来上がると装具料金の一時立替払い(償還払い)を行います。その内で、7割は保険でみてくれますが、重度身障手帳(1級、2級)を持っている、 あるいは老人(70歳以上)でないリウマチ患者さんは、3割の自己負担をしなくてはなりません。

更正用装具(身障手帳が必要)
    • 更生用装具の手続きが非常に面倒で、申請→更正相談所の判定→診査→業者に処方→見積もり提出→製作を経て初めて作ることができる。
    • 市町村によって対応がまちまちで、市町村財政の余裕によって差があることがある。担当職員によっても差があり、行政のなかにはリウマチは全身疾患の理解に乏しい職員がいることも否めない。
    • 装具の耐用年数は通常3年で、作製してから3年以上たたないと作り変え出来ない。しかし、装具の素材によっては3年持たないものもある。
    • 靴型装具などは、屋内用・屋外用が認められていないため、足部変形で屋内でも歩行困難なリウマチでは、両方の履物が必要。
    • リウマチでは実用装具としての用途が多く、実際の家事・生活に使用する。
平成18年度の障害者自立支援法による装具の扱い
  • 今回の装具給付も、予防の観点ではなく損なわれた身体機能の保管のため給付としての扱い。
  • 更正相談所の機能強化を目指し、適合や使用状況の確認まで行う。
  • 現物給付の要素を減らし、助成的要素が濃くなる。
  • 費用負担では、応能負担が原則だったが、一律1割負担となる。
  • 一定以上の所得がある場合は、支給対象外(ただし、所得課税世帯の考え方がかわる)
リウマチ装具の利点と欠点
頸椎装具

利点

  • 着けると痛みが楽になる
  • 過度な動きが制限できる
  • 長期使用で効果?

欠点

  • 頚椎装具では完全固定はできない
  • 開口の妨げになる
  • 外観が良くない
  • 夏になると暑い
手関節装具

利点

  • 皮革製:使い込むと馴染み易い
  • PEライト製:水でも使用できる
  • メッシュ製:通気性が良い

欠点

  • 汚れがふき取りにくい
  • 水が使えない
  • 耐久性がない
  • 固定力が弱い
膝関節装具

金属支柱膝装具は、重量が重く使いにくい。それに比べサブオルソレン製の装具は300g程度で装着しやすい。その適応は、わずかな左右の不安定性を指示するもので高度な変形や荷重には向いていない。

足関節装具

後足部の固定目的で使用するが、皮革製では汚れがふき取りにくい、軟ポリ製では材料疲労を起きやすい、ナイロンメッシュやアンクルバンドでは固定力が弱いなどの欠点がある。

皮型装具

利点

  • 側革を高く(チャッカ靴)することで、足関節の保護も可能
  • 足底の全体の対応が可能
  • 踏み返しが容易になる
  • 踵の形状で軽度の踵骨内外反をコントロールできる

欠点

  • 価格が高い
  • 全国統一した価格体系となっていない
  • デザインが限られる
関節リウマチ装具の問題点
  • 関節予後を見通した個別の処方
  • 通気性の高い素材の開発
  • 早期リウマチ患者の装具自己負担の軽減
  • 全国一律の価格体系、サービスの確立
  • スプリント作製における公的位置の確立
  • 装具効果のエビデンスの確立
  • 屋内用、屋外用履物の認可
  • 行政の関節リウマチ装具に対する理解