栄養管理科

リウマチと食事

 現在、運動不足・食べすぎ・栄養の偏りなどにより、肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症・骨粗鬆症といったいわゆる生活習慣病になる人が年々増加しています。 管理栄養士
梅田 薫
梅田 薫
 
体重計  リウマチ患者さんがこれらの生活習慣病を合わせ持つと体への負担が大きくなり、リウマチの症状自体を悪化させることになりかねません。加えて、リウマチの治療が長期になれば、使用する薬剤も増え、障害を受ける臓器も多くなってきます。特に、ステロイド服用中の患者さんは、食欲亢進をきたし、それに伴う体重増加で肥満や高脂血症になりやすくなっています。リウマチで障害を受けた関節にとって体重の増加は関節の破壊をさらに進めることになるので、体重の管理はとても重要です。また、ステロイドの使用は、骨の形成を抑制したり、カルシウムの排泄を促進し、骨量が減少してきます。これにより骨粗鬆症がおこり、骨折の増加が問題となります。骨粗鬆症に先ほどの肥満が加わると、関節への負担がさらに進み、関節の変形や骨折の可能性が益々増加することになりかねません。
 そこで、今回は、肥満の予防(体重の管理)と骨粗鬆症予防のための食事管理についてご紹介いたします。
①体重の管理について
 リウマチ患者さんは、激しい運動療法は困難ですので、間食やアルコールといった食事以外から余分にとっているカロリーをまず減らすとよいでしょう。自分の適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量をとりましょう。 体重1kgは7,200キロカロリーに相当します。これを1ヶ月間で減らすためには1日あたり240キロカロリーを今までの食事より減らす必要があります。
適正体重の求め方
身長(m)×身長(m)×22
肥満の判定基準
1.体脂肪率 ・・・ 男性 25%以上
女性 30%以上
2.BMI ・・・・・・・・ 身長と体重から測定する体格指数
*求め方 現在の体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
上の式からでた数値を元にすると
低体重 ・・・・・・・ 18.5未満
普通体重 ・・・・・ 18.5以上25未満
肥満 ・・・・・・・・・ 25以上

②骨粗鬆症の予防のために
 私たちの骨は、絶えず吸収と形成を繰り返しています。色々な原因で吸収が形成を上回ると骨量が減少して骨がもろく折れやすくなります。この状態を「骨粗鬆症」といいます。上記にも挙げましたが、リウマチ患者さんは、長期ステロイド投与による骨量減少(腸管におけるカルシウム吸収が抑制される)、骨吸収の促進により、リウマチでない方に比べると骨粗鬆症になる確率は高いといえます。食事において、効率よくカルシウムをとる方法をご紹介します。
①個別吸収率より総摂取量を増やす
骨粗鬆症予防に必要な1日のカルシウム量1000mg
カルシウム摂取量の上限は1日2500mg以下
②食事内容に偏りがないかチェックする
③カルシウムの吸収を高めるビタミンD・K 大豆イソフラボンを多く含む食品をとる
イソフラボンの構造は、女性ホルモンであるエストロゲンに類似しており、実際にエストロゲン受容体に結合して、女性ホルモンと同じような働きをします。(骨の吸収を抑制する働きがあります) 大豆




豆腐
④カルシウムの吸収を妨げる原因となる食生活を改める
野菜 たんぱく質・リン・カフェイン・食物繊維の摂り過ぎに注意する。乳製品にばかり偏ってとるとたんぱく質や脂肪の摂り過ぎになるとともに、カロリーオーバーにもなります。大豆製品・緑黄色野菜には比較的低カロリーでしかもたくさんのカルシウムが含まれていますので、毎日の食事に是非取り入れてください。
おわりに
 リウマチ患者さんが快適な日常生活をおくるためには、日々の食事における栄養管理を十分に行い、栄養状態を良好に保っていくことが大切です。新しすぎる情報や、ことさらいいことだけを強調した報道に振り回されず、食事の基本のとり方をもう一度見直してみてください。また、栄養士が、一人一人の食事環境や食習慣に配慮した栄養指導を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
カルシウムを多く含む食品
使用量カルシウム含有量エネルギー目安量
牛乳 200g 220mg 134kcal コップ1杯
スキムミルク 20g 220mg 72kcal 大さじ3杯
高野豆腐 20g 132mg 106kcal 1枚
木綿豆腐 100g 120mg 72kcal 1/4丁
小松菜 100g 170mg 14kcal 小鉢1皿
春菊 100g 120mg 22kcal 小鉢1皿
カルシウム