内科的診療

関節リウマチとたばこについて  奥田 恭章

タバコは、代表的な「ニコチン」、「一酸化炭素」、「タール」だけでなく、約200種類以上の有害物質が含まれており、さらにそのうち約50種類が発癌物質です。喫煙関連病として、 肺癌、喉頭癌、胃癌、膀胱癌などのほとんどの癌、心筋梗塞、脳卒中、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、胃潰瘍、歯槽膿漏などの増加が医学的(科学的)、疫学的(人での大規模調査)にて証明されています。 残念ながら、関節リウマチも喫煙関連疾患であり、1日20本以上20年以上吸うと吸わない人と較べてリウマチ発症は約2倍に、40年以上吸うと約14倍にもなることが報告されています。 最近の研究では、特定の遺伝子をもつグループの人たちは、喫煙により免疫の異常が誘発され、リウマチをより高頻度に発症することもわかってきました。 また、リウマチ発症後も喫煙者では、リウマチ因子高値やリウマチ結節の増加、発症後長期間喫煙を続けると、より関節の破壊が進行することが報告されており、リウマチの発症、悪化に関与するとされています。 画像1また、喫煙者は肺気腫(酸素を取り込む肺胞がつぶれて息苦しくなる)という病気が高齢になるにしたがって高率に生じてきます。リウマチ患者さんは、肺線維症や慢性気管支炎を合併されていることも多く、 喫煙による肺気腫とこれらの病気が混在している高齢の患者さんは、息切れ、低酸素血症から酸素療法が必要となる場合もあります。このような患者さんは、肺の感染症に罹った時は予備能がないので非常に危険で、生死にかかわる状態になってしまいます。 そして、タバコはビタミンCやβカロチンなどの免疫力を維持する物質を消費して、免疫力の低下をおこさせますので、肺炎、気管支炎、皮膚化膿性疾患、インフルエンザ、風邪などに罹りやすくなり、喫煙がいかに危険であるかということがわかると思います。 リウマチの患者さんは女性が多いですが(約4:1です)、タバコは女性ホルモンの分泌を抑え、女性らしい肌の潤い、つや、張りが失われるのも美容上やはり問題です。 禁煙は、欧米では強く規制していますが、日本では、たばこ業界の保護、税金の確保、JTのキャンペーンで肺癌患者は男性の癌死の1位となっています。 リウマチ患者で喫煙者のみなさんは、リウマチ悪化防止、健康維持・美容のために禁煙をぜひ決断・実行してください。画像2

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