内科的診療

関節リウマチ以外の重要なリウマチ性疾患
7. 全身性エリテマトーデス(SLE)について 奥田 恭章

症状と特徴

若い女性に多くは好発する代表的な自己免疫疾患で、男女比は約1:9と女性が大部分を占める病気です。 画像1

白人より、黒人や有色人種で多い傾向があります。画像1

発症は、微熱・倦怠感などの全身症状、関節炎(しばしば、一過性、遊走性)、皮疹(顔面の頬部蝶形紅斑—鼻を含む蝶の形を呈する、円盤状紅斑—円形に近く皮膚が盛り上がり、角化層がはがれやすい形を呈する、爪周囲紅斑、日光過敏(紫外線で水疱や紅斑を形成)等)が初発症状として起こりやすいのが特徴です。関節炎、関節痛が初発症状になることが多いので、関節リウマチと当初間違われやすい疾患の一つです(しかし、関節リウマチと違って関節破壊はおこさないのが特徴です)。その後、経過中に腎炎(蛋白尿や血尿)、胸膜炎、心外膜炎、神経障害(頭痛やけいれん、精神症状など)、血球減少、血栓症などのさまざまな症状を呈する場合があります。軽症(口内炎やレイノー症状など軽い症状のみ)で経過する方から、重篤な症状を来す人まで経過はさまざまでそれにより治療は大きく異なります。血液検査では、さまざまな免疫の異常が生じるのが特徴で、抗核抗体陽性(ほぼ100%)、補体値の低下(免疫複合体という物質が臓器に沈着して障害をおこす結果)、種々の自己抗体(抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体など)が診断に、そして一部は検査値の変化が治療効果判定の参考となります。

治療

個々の患者さんの症状により治療法は異なりますが、ステロイド剤が治療の反応性が高く、治療薬の中心となります。活動性の腎炎や中枢神経症状などがあるときは、大量のステロイド剤、あるいはステロイド剤と免疫抑制剤の併用療法でしっかり治療を行い、症状の軽快後にゆっくりとこれらを減量して維持量で治療を行ってゆきます。 症状の軽い方は、中等量から少量のステロイド剤で治療を行い、少量のステロイド剤で維持療法を行います。血栓症には、抗血小板療法や抗凝固療法などで治療を行います。また、ステロイド剤や免疫抑制剤の治療にあたって、感染症予防、骨粗鬆症予防、高脂血症や糖尿病などの合併症治療を個々の患者さんに応じて行います。この病気は安定期に入れば、ほぼ通常に日常生活と仕事が可能になります(ただし下記の注意点を守ってください)。

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注意点

ストレス(過度の仕事など)、外傷、感染症などを契機に、安定していた病状が再び悪化・再燃することがあります。できる限りこれらをさけるように努力しましょう。紫外線暴露により日光過敏症を生じ、症状の悪化を来すことがあります。紫外線の強い際の外出時は、日傘やサンスクリーンクリーム(SPFの高いもの)を用いたりして、なるだけ紫外線の暴露を受けないように努力しましょう。 食事の制限は特別ありませんが、標準体重を維持し、合併症を併発しないように努力してください。

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SLEによる顔面の蝶型紅斑(鼻梁にも紅斑を認めるのが特徴)

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SLEによる手掌紅斑

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SLEの頭皮の円板状皮疹(治療によりやや退色している)

リウマチ科・整形外科・内科