内科的診療

関節リウマチ以外の重要なリウマチ性疾患
10. シェーングレン症候群について 奥田 恭章

症状と特徴

診断時の平均年齢は50歳代で、男女比は1:20と圧倒的に女性に多い病気です。外分泌腺に対する自己免疫疾患ですが、主な症状は、涙腺分泌低下による眼の乾燥症状、たとえば、眼のコロコロとした違和感、悲しいテレビドラマをみても涙が出ない等の眼症状と、唾液腺分泌の低下による口腔内症状、たとえば、つばがでない、のどが乾く、パンを水分なしで食べることができない、しゃべりにくい等の乾燥症状が主な症状です。一次性(外分泌性障害のみ)のものと、二次性(関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどのリウマチ性疾患に合併したもの)のものに分類されます。全身倦怠感や関節痛を伴うこともしばしばみられ、血液検査では、抗核抗体やリウマトイド因子が高頻度で認められることも大きな特徴ですが、この病気の特異的自己抗体の抗SS-A抗体と抗SS-B抗体の測定が診断に重要となります(ただし、全員が陽性になるわけではありません)。その他の外分泌性障害として、気管の分泌低下からの、慢性気管支炎や副鼻腔炎、乾燥性膣炎なども認められやすいのが特徴です。また、自己免疫性の慢性甲状腺炎や胆汁性肝硬変なども20-40%くらい合併することがあり、全身の合併症の有無に関する注意深い観察と診療が大切です。

治療

基本的には生命予後は良好な疾患で、治療の中心は乾燥症状を軽減させる薬物治療です。人工涙液の点眼剤を用い、角結膜表面の保護を行います。口腔乾燥症状に対しては唾液腺分泌を刺激するムスカリン性アセチルコリン受容体に作用して、乾燥症状を軽減させる薬を内服あるいは溶かしてうがい液として用い治療を行います。他の外分泌腺障害や合併する自己免疫性疾患に対してはそれぞれの病態に応じて適切に加療を行います(例:慢性甲状腺機能低下症→甲状腺ホルモン剤の補充など)。

注意点

虫歯予防のため、歯の手入れをしっかりとすることは大切です。また、免疫異常の亢進したこの病気は、お薬の副作用が一般の方よりでる頻度が高いので注意深い観察が必要です。夜間、乾燥症状の強い方は、マスクをして寝ることにより保湿効果により乾燥症状が軽減されます。唾液腺の腫脹を生じる人は唾液腺のマッサージも有効です。しかし、発熱、発赤を伴う場合は医師に相談し、内服薬(抗生物質など)の処方も受けるようにしましょう。

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シェーグレン症候群の患者さんの舌(未治療段階)舌は乾燥し、乳頭萎縮がみられる。

この患者さんの口腔底には唾液のたまりはみられない。

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環状紅斑

シェーングレン症候群など膠原病にしばしば出現する。

リウマチ科・整形外科・内科