内科的診療

関節リウマチの診断について  奥田 恭章

患者さんの自覚症状

この病気は関節の痛みと腫れが中心となる病気です。 初発部位として多いのは手首と指の関節(特に指先から2番目と3番目の列の関節)で、 これら手・指を中心とする関節が持続的に痛みや腫れを生じた時は、必ず「リウマチ科」の医師の診察を受けましょう。 また、歩いた時に足の裏の違和感や小石や砂利を踏んだような痛みがある場合もかなり高い可能性で関節リウマチを疑わせます。 診断1 手指とともに足指の付け根の関節も早期から罹患しやすい特徴的な関節だからです。 他に、肩、肘、膝、足首など大きな関節が多発性に痛みや腫れを生じた時も、 リウマチの可能性を強く疑わせる症状です。ほかに、「朝のこわばり」という症状  ― 朝起きた時や昼寝をした後に手指がかじかんだような動かしにくい感じを生じる ―  を高頻度に生じるのもこの病気の特徴です。つぎに、発症のパターンですが、痛みや腫れはある日突然、 多発性に強く生じる「急性発症」のパターンから、少しずつ軽い痛みや腫れが増えてくる「亜急性から慢性発症」などさまざまなパターンがあります。 診断1 また、一般的に複数の関節を罹患しますが、1個の関節の痛みと腫れが長期間持続するという形で発症することもあります。 また「全身症状」として、38-39度台の発熱を同時に生じる場合(特に急性発症時)や37度台の微熱と全身倦怠感を伴うこともしばしばあります。 リウマチを疑って病院を初めて受診される方は、「いつから」、「どこの関節が痛い、腫れている」、 「どのくらいの期間持続」、「朝のこわばりの有無と持続時間」、「全身症状の有無」についてあらかじめ思い出しメモをしておき、 診察時に渡すと、スムーズにかつ適切に診療が進みますので受診時に「病歴、病状メモ」を作っておかれることをお勧めします。 診断1

医師が行う診断の流れ

①上に書いたような症状がいつから、どの程度あるかを「問診」でお聞きします(メモがあればスムーズで正確な問診ができます)。

②次に、全身の関節を「触診」して、「疼痛関節」、「腫脹関節」、「関節可動域(関節が動く範囲)」を診察します。 「視診」や「聴診」など全身の所見を診察します。。

③採血で炎症反応(CRP, 血沈、SAA)、免疫異常(抗核抗体、リウマチ因子、抗CCP抗体)、軟骨・骨を溶かす酵素(MMP-3) や白血球数、貧血の有無、肝機能、腎機能などを調べます。(内容の詳細は当院ホームページ「検査」をご覧ください)また、検尿も行います。

④罹患している可能性のある関節のレントゲン、胸部のレントゲン撮影を行います。時に精査のためにMRIやエコーなどの特殊検査をすることもあります。 診断1

以上の問診、診察、検査を行い、「関節リウマチ」であるかないか、また、「活動性―病気の勢い」、 「進行度―どれくらい進んでいるか」を判断し、患者さんに病状を説明して治療を開始することになります。 なお、医師は診察の過程で「鑑別診断(関節リウマチ以外の病気も考えて診断をします)」を行います。 そして、他の関節を罹患する病気であった場合はそれに合った指導や治療を開始します。 一般に罹患頻度は関節リウマチより少ないですが、関節症状を伴う膠原病や痛風・偽通風、 反応性関節炎、血清反応陰性脊椎関節炎、変形性関節症など鑑別診断・治療が必要な「リウマチ性疾患」が他に多くあります。 また、これらの病気ではなく、自然によくなる状態、経過を見ればいい状態の時は、 医師は「半年後に念のために来てください」や「万一、症状が強くなり、続くようなら来てください」など適切に指導させていただくことになります。

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