内科的診療

関節リウマチ以外の重要なリウマチ性疾患
18.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症について 奥田 恭章

症状と特徴

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、以前はアレルギー性肉芽腫性血管炎または報告医師の名前のついたチャーグ・ストラウス症候群と呼ばれていました。2011年に主に小血管に病変がある疾患として、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の名称に変更されました。この病気は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー体質(主に成人発症)が先行して起こることが多く、アレルギー疾患から血管炎による症状の発症までは3年以内が多いとされています。血管炎に伴う症状としては、多発性単神経炎(手足のしびれや感覚運動障害)が多く、約9割以上の患者さんでみられます。皮膚のしこりやあざ、潰瘍なども約6割の方に生じます。他に、発熱、体重減少、関節痛、筋肉痛などの全身症状、また、腎障害や間質性肺炎、腸炎、心筋炎など重症な臓器病変も伴うこともあります。主として中年以降に発症(日本での好発年齢は50歳代)し、男女比では3:7とやや女性にやや多く、家族内の発症は稀です。日本での発症頻度は年間2.4人/100万人と言われています。検査所見では、好酸球という白血球の一種が増加し、IgEの増加をみる事があります。全身性の炎症性疾患のため、炎症を反映する赤沈やCRP、血小板数も上昇します。また、およそ半数でMPO-ANCAという特殊な自己抗体が陽性になり、およそ7割でリウマトイド因子(RF)が陽性になります。組織診断は、神経や皮膚、血管の生検を行い、好酸球浸潤を伴う肉芽腫や壊死性の血管炎の存在で診断されます。

治療

治療は、主にステロイド剤の投与を行います。軽症~中等症ではプレドニゾロン 30~50 mg/日で治療を開始します。一般にステロイドによく反応し、3~6か月で寛解(病気の症状がなく普通に生活ができる事)する方が約80%とされています。一方、ステロイドにて改善が乏しい神経障害に対しては、高用量ガンマグロブリン点滴が考慮されます。重症(心、肺、消化管、腎病変などの併発例)では高用量ステロイド+免疫抑制剤(主にエンドキサン)による寛解導入療法の後、徐々にステロイドを減量し、エンドキサンからより副作用の少ないイムラン併用による維持療法を行います。

生活状の注意

神経障害による運動障害に対してはリハビリテーションを積極的に行いますのでがんばっていただきたいと思います。血管炎は、血管に炎症を起こして血管に障害をきたします。これ以上血管に負担をかけないように、喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などの動脈硬化の危険を高ないように生活指導と薬による治療も行う必要があります。ステロイド薬と免疫抑制薬による治療により感染症がおこりやすくなりますので、感染症の予防も大切です。規則正しい生活をして、精神的にも肉体的にもストレスを最小限にする生活を心掛けることが重要です。

リウマチ科・整形外科・内科