内科的診療

リウマチ患者さんにお勧めするウィルス感染予防法

1.はじめに

関節リウマチ患者さんでは、リウマチという病気そのものや治療薬によって抵抗力が低下しています。 抵抗力の低下そのため、感染症を合併しやすい危険があり、一度感染症を合併すると重篤になることが心配されます。 病原菌にいろいろありますが、抵抗力の低下した人にだけ病気を起こす病原性の弱い菌(日和見感染といいます)と、 元気な人にでも病気を起こす病原性の強い菌とに分けることができます。 ここでは冬季に大流行するインフルエンザやノロウイルスなどの市中で大流行する病原性の強い菌に焦点を当てて、 日常生活で気をつけるべき感染予防策についてお話ししたいと思います。

ウィルス1 ウィルス2

2.接触感染予防と飛沫感染予防

言葉の説明

体に病原菌が侵入してくる経路として、病原菌が汚染されたものを直接・間接的に手で触ることによってうつる「接触感染」と、 病原菌を多量に含む唾しぶきが飛んできて、鼻やのどの粘膜に付くことでうつる「飛沫感染」が、日常生活において重要です。

接触感染 飛沫感染
接触感染予防

「接触感染」予防策としては、「手洗い・うがい」とうがい「日常清掃」 特に、ドアノブや電気のスイッチ、水道の蛇口などの皆がよく触る箇所が重要となります。 冬場に感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスがその代表です。日常清掃このウイルスに感染して病気になったひとの嘔吐物や下痢便中には、 ウイルスが多量に含まれています。市中で大流行している時には、いろんなひとの手を介して、いろんな場所にウイルスが付いています。 知らず知らずそれらを触れてしまい、その後の手洗いが不十分であると、ノロウイルスが手を介して体の中に入ってきます。 特に、トイレを利用した後は、石鹸・流水でしっかりと手洗いを行う必要があります。ノロウイルスの場合、 ウィルス3 アルコール製剤の効果は他の病原菌に比べて乏しいですが、ある程度の効果は期待できます。 関節障害のために十分な手洗いが行いにくい患者さんでは、 手洗いをされた後で速乾性アルコール製剤の噴霧を併用されると効果的だと思います。

手洗い 速乾性アルコール製剤の噴霧

飛沫感染予防

「飛沫感染」予防としては、咳症状のある人との距離を1m以上あけること、 咳をする時は手やティッシュ、ハンカチなどで口を覆うなどの「咳エチケット」が重要となります。 ただし、風邪を起こすウイルスの多くは接触感染によってうつることから、 使用したティッシュなどはゴミ箱に捨てて、さらに手を洗うことが必要となり煩雑です。 そのため、咳症状がある場合には、咳をするひとがマスクを着用するのが簡単で確実な方法だと思います。 咳エチケットまた、咳症状のあるひとに近づく場合には、私ども病院スタッフが行っているように、 うつらないように予防的にマスクを着けることをお勧めします。 なお、人混みに出掛ける際に予防的にマスクをつけることは、効果は実証されていないものの有効であることが予想されますので、 インフルエンザが流行している時などはマスクを着けて出掛けられてはいかがでしょうか。 当院ではインフルエンザ対策として、冬季には症状の有無にかかわらずマスクを着ける「予防的マスク対策」を 2002年度より全病院的に毎冬実施し、入院中の患者さんでインフルエンザが流行することがなくなりました。 当院の予防的マスク着用は、ワクチン接種と並び、インフルエンザの有効な予防法であると考えています。 ドクター雪だるま

リウマチ科・整形外科・内科